鈴木おさむ絶賛!これを観ずしてSDGsは語れない!ドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』ポレポレ東中野公開記念トークイベント実施!

世界を驚愕させた紀行ドキュメンタリー番組「グレートジャーニー」で一躍有名となった探検界のレジェンド・関野吉晴の初監督作品となる、生き物のうんこと死体が繋ぐいのちの循環に迫ったドキュメンタリー映画『うんこと死体の復権』現在公開中。今回、映画の公開を記念したトークショーが実施され、関野吉晴監督、大島新プロデューサー、元放送作家の鈴木おさむ氏が登壇した。

【あらすじ】
「グレートジャーニー」で知られる探検家で医師でもある関野吉晴はアマゾン奥地の狩猟集⺠と の暮らしを通して、自然とヒトとの関係について考え続けてきた。そして、2015年から『地球永住計画』というプロジェクトを始める。この地球で私たちが生き続けていくためにはどうしたらいい かを考える場だ。関野はそこで3人の賢人に出会う。

野糞をすることに頑なにこだわり、半世紀に渡る野糞人生を送っている伊沢正名。
うんこから生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀。
そして、死体喰いの生き物たちを執拗に観察する絵本作家の舘野鴻 。

3人の活動を通して、現代生活において不潔なものとされるうんこ、無きモノにされがちな死体を見つめると、そこには無数の生き物たちが織りなす、世の中の常識を覆す「持続可能な未来」のヒントが隠されていた…。

拍手で迎えられた関野監督は「今日は暑い中うんこを観に来てくれてありがとうございます。きっとうんこに慣れたと思います。1時間40分も見れば大体慣れるんです。匂いが無いから良いですね。これ匂いがあったら慣れないと思うんですけども、この映画は匂いを出さないので。」と挨拶し会場の笑いを誘った。

続いてゲストの鈴木おさむ氏は「僕32年間放送作家をやって、色々な番組を作ってきて、色々な番組を見てきたはずなのに、うちの家族以外のうんこを見たのは初めてだったことに気付きまして(笑)。そんな貴重な経験をさせてくれたこの映画のことをぜひ監督とお話ししたいと思いここに来ました。」と関野監督に興味津々の様子で挨拶した。

のっけから強烈なキャラクターが滲み出ている関野監督へ、本作が文科省選定作品でもあるということを聞きつけた鈴木氏は「グレートジャーニーであんな世界の広いところを旅したのに、逆に映画でこんな狭いところに行くという…、でもある意味両方ともそこに地球があるというか。監督はなんで今回これを作ろうと思ったんですか?」と投げかけると、監督は「僕はグレートジャーニーの前に20年間南米のアマゾンばかりに行ってたんです。そのアマゾンの人たちの影響が多分この映画は強い。彼らはうんこも死体もゴミも、都市では邪魔者扱いされ隠しておきたい物を、全部森の中に持ち込んだんです。うんこもするし、それからゴミも森に捨てるし、死体も森に埋めるか川に流す。そうすると、最終的には土になるんです。要するに、動物に食べられたり、あるいは虫に食べられ、最終的に微生物分解された土になって、その土壌が豊かになって、植物が成長して、それを草食動物が食べて、それを我々人間とか肉食動物が食べてっていう動きが野生動物と同じなわけです。ところが都会で暮らす私たちは、死体もゴミも全部焼いて二酸化炭素になっちゃう。彼らは完全に自然の循環の輪の中にいて、我々は循環の輪から外れちゃってる。私たちは自然がないと生きていけないのに、自然の方は人間がいなくてもいいんです。このことをもっと多くの人に分かって欲しかった。」と映画に込めた壮大なテーマを話す。

映画を見た感想として鈴木氏は、劇中の野糞シーンについて触れ「僕は関野さんのうんこを見てるじゃないですか。何か一緒にお風呂入った人みたいな、関野さんのうんこを見たせいですごく距離が近く感じます(笑)この映画はうんこが分解されていく様っていうのを画で捉えている。これは珍しいですよね。丁寧にナイフで割ってくれて、、、割るなよ!って最初思いましたけど(笑)でも割ると中はこうなってるんだと分かるし、割った瞬間に虫が喰らいついて、変化していくというのはすごいですよね。」と通常ではありえない所まで見せていく本作に驚いていた。監督も「撮影してるときはカメラのモニターしか見てないから、でっかい画面は想像してないわけですよ。だから試写会で見た時は僕もびっくりしましたね!こんなスクリーンにドーンとうんこを出したの、多分映画史上初めてじゃないですかね?」と答えると「いやいやいや!それは考えて下さいよ映画なんですから!」と鈴木氏のツッコミが入り会場を笑わせた。

また、大島プロデューサーも、スタッフたちのお気に入り撮影エピソードを披露。「実は関野監督は、ロケの最初の頃なかなかうんこが出なかったんですよ。緊張しちゃうし、撮られるのが嫌だったんですね。それがロケの最後の方で、立派なうんこを関野監督がするんですよ。あれはもうスタッフはお気に入りです。」と話すと関野監督は「まさか監督が撮られるとは思ってなかった」と本人も困惑していたという事実に会場も大爆笑。さらにその渾身の野糞も「ちょっと色が気に食わなかった。もうちょっと黄色っぽいバナナより褐色がよかった」と自らのうんこにダメ出しすると、鈴木氏は「でもご立派で監督らしい!僕はエンドクレジットに出してほしかったですよ!」と太鼓判を押した。

トークショー終盤、鈴木氏は大島プロデューサーに向けて「今、コンプライアンスだ何だと言われて、テレビでもドキュメンタリーだとしても、表現がどんどん狭くなってますけど、この映画を作るとき、絶対にうんこ、動物の死体が出てくるわけじゃないですか。それは撮る前から全てを映そうと決めていたんですか?」と問いかけると、大島プロデューサーは「それはもう完全にそうですね。実は私はうんこも死体も苦手で、編集、試写の時は、苦行のような気持ちでしたけど、関野さんがやりたいって言っているものにモザイクっていうのはあり得ないと思ってました。でも、これでも多少はマイルドに和らげてはいるんです。」と答える。鈴木氏は「何かコンプライアンスだ何だということに慣れ過ぎちゃって、自分の目に届くものが守られ過ぎているじゃないですか。だからそれも丸裸で目が覚めたんですよ。」と感心していた。

監督は「いま持続可能とか循環とかいう言葉が言われてますが、まさにこれは循環の話、持続可能性の話で、これはSDGsを超えている。SDGsはあくまでも開発とか経済発展のためのものですからね」と話すと、鈴木氏も「これを見て語れって感じがしました。すごい勉強になったし、こういうことを知らずして語っちゃだめだなと本当に思いましたね。最高でした。」と締めた。

最後に2人は集まった観客に向けて「こういう映画ですので、あんまり宣伝費もかけられないので、広報活動が限られているんですね。一番大きな期待をしているのは口コミですので、もし面白いな、見てよかったなと思ったら、周りの人に広めてください。よろしくお願いします。」(関野監督)、「こういう映画って、『超面白かったよ!』とも言いにくくて、人を選ぶんだけど、でもとにかくすごい。もちろん勉強にもなるし、何か全てが愛おしくなってきますね。不思議な感覚でした。なかなかこんな経験できないので、本当にこんな作品を作ってくれてありがとうございます。」(鈴木氏)と挨拶し終始大盛況のままトークイベントは終了した。

『うんこと死体の復権』
2024年 8月3日(土)より ポレポレ東中野ほかにて全国順次ロードショー

監督:関野吉晴
出演:伊沢正名、高槻成紀、舘野鴻
プロデューサー:前田亜、大島新
撮影:松井孝行、船木光、前田亜紀
編集:斉藤淳一
製作:ネツゲン、クリエイト21
配給:きろくびと

2024年/日本/106分/G区分
(C)2024「うんこと死体の復権」製作委員会

公式HP:https://www.unkotoshitai.com/

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