映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』公開記念舞台挨拶に「この映画を通してオートレーサーとして僕が戦う理由を少しでも感じてもらえたら嬉しい」
アイドルグループ「SMAP」のメンバーとして人気絶頂だった22歳の時に、幼少時からの夢だったオートレーサーへ転身した森且行の生き方の深奥に迫ったドキュメンタリー映画『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』が、2024年11月29日(金)より全国公開をスタートした。今回、公開翌日の11月30日に東京・新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が実施され、森且行、ナレーションを担当した萩原聖人、そして穂坂友紀監督が登壇した。
1996年、日本中の注目を集める中で、トップアイドルからオートレーサーへの転身を果たした森且行。2020年11月3日、24年目にしてついに悲願の日本選手権初優勝を果たした。しかし、そのわずか82日後、レース中に落車し命が危ぶまれるほどの大怪我を負ってしまう。それからレース復帰までの2年間、幾度にもわたる手術と懸命のリハビリの日々の中、森は何を思い、何を支えにしていたのか? 選手生命を脅かす怪我を負ってもなお、走ることを辞めない彼を突き動かすものは何なのか? そして50歳を迎えた今、森且行は何を思うのか? 3年にわたり病院やレース場、幼い頃の思い出の場所でカメラをまわし、肉親やレーサー仲間、担当医、そして本人へのロングインタビューを通して浮かび上がってくるのは、家族や仲間たちとの変わらない絆と熱い想いだった。
満員御礼で迎えたこの日、ファンの声援が飛び交う中、ステージに登場した森は「なんかレース場にいるみたい(笑)本日はご来場ありがとうございます。そして僕の3年間をよく諦めずに密着して撮ってくれた穂坂監督に感謝したいと思います。ナレーションを務めてくれた“同級生”のハギ君も本当にありがとうございます!」と全てに感謝を述べると、会場から拍手が巻き起こった。
森と萩原の出会いは、1988年放送の連続ドラマ『3年B組金八先生(第3シリーズ)』。クラスメートを演じた。当時について聞かれた森は「ハギ君は麻雀が上手い!撮影が終わってゲームセンターに行くと、ハギ君が麻雀ゲームで勝ちまくる」と雀士の顔も持つ萩原の片鱗を明かしてニヤリ。一方、萩原は「当時は中学生で僕から見たら森君はスター候補生。でも分け隔てなくみんなと仲良くしてくれた。だから今の距離感があるのだと本当に思う」と懐かしそうに森の人柄を評していた。
そんな二人は一昨年、約30年ぶりに再会して酒を酌み交わしたという。互いの印象について森が「当時と全然変わっていないと思った」と嬉しそうに明かせば、萩原も「僕も全然変わっていないと思った。すぐに意気投合した」としみじみ。人気絶頂の最中に森はオートレーサーへの道を歩んだわけだが、萩原は「ビックリしたのと、なんてことを…と。当時は本当に!?と思った」と言うも「果たして信念を貫く行動が出来る人はこの世にどれくらいいるのか?信念を貫かせてくれない現実が襲ってくる中で、彼はブレない折れない。(お酒の席でも)彼はスマート。苦労話を一つもしなくて、楽しい話しかしない。人を惹きつけるし、差別をしない。この映画に映っているものがすべて真実だという事が伝わってくる」と森の生き様をリスペクト。これに森は「30年ぶりに会った時は復帰前でリハビリ中でしたが、ハギ君といると楽しすぎて…2軒ハシゴしちゃいました」と会場を笑わせた。
そんな二人の30年ぶりの再会を知り、萩原にナレーションのオファーを出したという穂坂監督。二人ならではの関係性に期待し「萩原さんだったら森さんの生き様に魂を込めてナレーションを入れてくれるはず」と確信したという。このオファーに萩原は「素直にうれしかったです。大役だと思うんです。ドキュメンタリーは基本生の声しか入っていないので、ナレーションって異物なんですよ。世界観をどう表現できるか、どんな作品も新しいチャレンジなので、森くんとの関係性がある中で、自分がやらせてもらうというチャレンジは震えました」と心境を吐露し、森も「よく引き受けてくれたと思った。監督に『最高です!』と言いました。最初はハギ君の声だとは全然わからなくて、カッコ良過ぎてビックリちゃって。監督からもハギ君が魂を入れてナレーションをしてくれたと聞いていて、実際に聞いたら『うわっ、すごい!』となって、流石だなと思いました。」と嬉しそうに語った。
また本作のテーマにちなんで「挑戦する際にどのように自分を奮い立たせる方法」を発表。萩原は「一つの事に挑戦し続ける難しさや葛藤はあると思うけれど、そこに挑戦し続けることに生きる意味があるのかなと思う」と返答。森も「好きでないと前には進めない。壁にぶつかっても楽しい事を探して、腐らず、前に向かって突き進む」と自身の半生を振り返るかのように実感を込めていた。穂坂監督は「森さんの『挑戦を楽しむ』という言葉が印象的で、そんな森さんの姿を見て『失敗してもいいからまずはやってみよう』と思えるようになった」と森の生き様に影響を受けた様子。穂坂監督の言葉を受けて森は、「この年になってようやく分かりました。怪我する前は、強い選手が並ぶじゃないですか。もう二度と走りたくないって思ったんですけれども、最近はやっぱり強い選手と並んで勝ってやろうっていう気になるんです。余計なんか強い選手といっぱい走りたいなと思います」と語った。さらに、「好きでないと前には進めないと思うんです。壁にぶつかっても楽しい事を探して、絶対に腐らず、前に向かって突き進むのがいいんじゃないかな」と自信の半生と重ねるように語った。
最後に穂坂監督は「1回ではなく、何度も観ていただきたいです。合言葉は“いちもり、にもり、さんもり、もりもり、大盛り”です!」とユーモア交じりにPR。萩原も「これからも挑戦し続ける、過酷な人生を歩こうとしている男の真実が映っています。皆さんも辛い事、失敗するようなことに直面するたびにこの映画を観てください。必ず乗り越えられるはずです!」と熱烈アピール。森は「この映画を通してオートレーサーとして僕が戦う理由を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。皆さんも観たらきっと泣くと思います。なのでメイク直しをしながら観てくださいね」とサービストークで会場を笑いで包んでいた。
『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』
新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか絶賛公開中
出演:森且行
監督・撮影:穂坂友紀
エグゼクティブプロデューサー:津村有紀
プロデューサー:青柳朋子、鴨下潔、石山成人
総合プロデューサー:松田崇裕、小池博
協力プロデューサー:塩沢葉子
製作:TBS
企画・制作:TBSテレビ報道局 報道コンテンツ戦略室
制作プロダクション:TBSスパークル
配給:KADOKAWA
宣伝:KICCORIT
©TBS
映画公式サイト:autoracer-mori.com
公式X:@autoracer_mori