【福岡・キノシネマ天神】『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』戦後80年の節目に一週間限定上映決定

終戦から80年という節目の年、戦争の記憶と向き合うドキュメンタリー映画『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』が、福岡・キノシネマ天神にて8月15日(金)より1週間限定で上映される。上映は1日1回のみ。

本作は、1945年6月の福岡大空襲で母を失い、その翌日にB29搭乗員の処刑に自ら志願して加わった西部軍主計中尉・冬至堅太郎氏の軌跡をたどるドキュメンタリー。敗戦後、BC級戦犯としてスガモプリズンに収監され、絞首刑を宣告されるまでの2年間にわたり綴られた「巣鴨日記」をもとに、冬至氏がどのように自らと向き合い、戦争と死刑判決を受け入れていったのかが静かに描かれている。

監督は、RKB毎日放送ディレクターの大村由紀子氏。医療、司法、戦争などをテーマに数々のドキュメンタリーを手がけてきた実力派であり、文化庁芸術祭優秀賞やギャラクシー賞奨励賞なども受賞している。今回の作品では、公文書館に通って収集した膨大な資料と、冬至氏が遺した6年分の日記を手がかりに、これまで断片的にしか語られてこなかったBC級戦犯の実像に迫る。

監督はこの作品について、次のようにコメントしている。

日本の指導者らが裁かれたA級戦犯を知っている人は多くとも、現場の兵士や軍属らが戦争犯罪に問われたBC級戦犯を知る人は少ない。アジア太平洋の49法廷で裁かれ、920人もの命が絶たれたにも関わらず、ドラマ「私は貝になりたい」などで断片的にしか語られてこなかった。
法務省が収集した戦犯関係の資料や公文書が国立公文書館に移管され、公開が始まったのは25年程前だが、元戦犯と戦犯家族のプライバシーに配慮したのか、名前が黒塗りになった文書が多かった。関係者が亡くなっていることもあり、近年になってやっと黒塗りのない文書の公開も増えてきた。本格的な検証はこれからだ。戦犯死刑囚という過酷な体験をした冬至堅太郎の日記の存在が公にされたのは6年程前。堅太郎が遺した6年分の日記からはスガモプリズンの中だけでなく、塀の外の国民の姿も見える。戦犯死刑囚として敗戦後の日本と自分に向き合った堅太郎は何を思ったのか、遺した言葉を伝えたい。

チケットは上映2日前から、劇場窓口およびオンラインにて販売。料金は一般2000円、大学・専門学生1500円、シニア(60歳以上)1300円。詳細は劇場公式サイト(https://kinocinema.jp/tenjin/)まで。

【上映情報】
『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』
上映期間:2025年8月15日(金)~21日 ※1日1回上映
上映劇場:キノシネマ天神
公式サイト:https://kinocinema.jp/tenjin/

【作品情報】
監督:大村由紀子
語り:山崎夕希子

撮影:廣野善之/音声:篠原圭/編集:川路幹夫
音響効果:寺岡章人/語り:山崎夕希子
プロデューサー:竹下通人、渡辺貞紀、石川恵子
製作:RKB毎日放送
上映時間:76分(1時間16分2秒)
公式サイト:https://tbs-docs.com/2025/title/17.html

戻る