新型コロナワクチンの“盲点”とは? 大手メディアが報じなかった側面に迫るドキュメンタリー『ヒポクラテスの盲点』10月公開
新型コロナワクチン。それは、国が推奨した“救世主”のはずだったー。あの時「喧伝」されたことは正しかったのか?大手メディアでは殆ど報道されない新型コロナワクチン後遺症の影響を多角的な視点で描く、科学と事実に基づく《驚愕》のドキュメンタリー『ヒポクラテスの盲点』が、10月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開されることが決定。あわせてポスタービジュアルも解禁された。
新型コロナウイルスの世界的な流行という未曽有の危機を受け、各国は急ピッチでのワクチン開発と接種体制の整備を進めた。その中で日本でも、mRNA技術を用いた新型コロナワクチンが“感染拡大の切り札”として強く推奨された。従来のワクチンとは異なる新技術であるにもかかわらず、「安全性に重大な懸念はない」との見解のもと、短期間で認可・流通が進み、国を挙げての接種キャンペーンが展開された。
しかし、時間の経過とともに、ワクチン接種後の体調不良や後遺症を訴える声が相次ぐようになる。厚生労働省には健康被害救済の申請が多数寄せられ、遺族による損害賠償請求や訴訟も発生するなど、その影響は現在も継続している。とりわけ日本では、欧米諸国に比べて接種の継続性が高く、65歳以上の高齢者を中心に、7回目のブースター接種までが推奨された。ワクチンの効果や副反応に関する検証は進められてはいるものの、国やメディアが積極的に報じてこなかった側面も多く、国民の間には不安や疑問が根強く残っている。
本作『ヒポクラテスの盲点』は、そうした“語られざる現実”に正面から向き合い、科学的な検証と当事者の証言をもとに構成されたドキュメンタリーだ。監督を務めたのはテレビマンユニオン出身の大西隼。膨大な資料調査と、関係者へのインタビューを積み重ね、表面的な議論に終始することなく、医療と社会の構造的な問題にまで踏み込んでいく。
登場するのは、再生医療の専門家である福島雅典医師(京都大学名誉教授)をはじめ、現場で患者の声に向き合い続けてきた臨床医、ワクチン推進に関わった関係者、接種後に後遺症を抱える患者とその家族、そして亡くなった人の遺族たち。多様な視点を交差させることで、単一の結論を導くのではなく、「いま何が語られていないのか」に焦点を当てる構成となっている。
作品タイトルに掲げられた「ヒポクラテスの盲点」とは、医学倫理の原点とも言われる「ヒポクラテスの誓い」の一節──「何よりもまず害をなすなかれ」に由来する問いかけだ。善意と信念のもとに推し進められた医療行為が、結果として人々に深い傷を残してしまうこともある。そのとき、私たちは何を信じ、何に疑問を抱き、どう向き合えばよかったのか。
本作は、ワクチンをめぐる議論に結論を下すことを目的としていない。むしろ、過去を振り返り、事実を知り、自ら考えるというプロセスを通じて、医療・報道・行政のあり方を再考する契機を提示する作品だ。同じ過ちを繰り返さないために――。その第一歩として、“知ること”の意味が問われている。
『ヒポクラテスの盲点』
2025年10月10日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
出演:福島雅典、藤沢明徳、児玉慎一郎、虻江誠、上田潤、大脇幸志郎、宜保美紀、新田剛、上島有加里、楊井人文
監督・編集:大西隼
製作:「ヒポクラテスの盲点」製作委員会
配給・制作:テレビマンユニオン
2025年/日本/ステレオ/16:9
公式サイト:https://hippocrates-movie.jp
(C)「ヒポクラテスの盲点」製作委員会