「東京ドキュメンタリー映画祭2025」いよいよ12月6日から新宿K’s cinemaで開催!改めて上映ラインナップをチェックしよう!

8 回目となる東京ドキュメンタリー映画祭が、いよいよ明日2025年12月6日(土)〜12月19日(金)の期間で、新宿K’s cinema にて開催される。今年も「短編」「長編」「人類学・民俗映像」各コンペティション部門の多彩な作品群のほか、「特集 台湾記録片(たいわんきろくへん)」として、幅広い記録映画の文化と伝統を持つ台湾のドキュメンタリーを、日本初公開のものも含め紹介。さらには特別上映として、本年逝去した受賞作家や映画祭スタッフを偲び、過去のグランプリ作品2 本をゲストトーク付きで上映し、生前の業績を振り返る。

<プログラマー代表 佐藤寛朗コメント>
東京ドキュメンタリー映画祭も8 年目を迎え、今年も多彩な作品が集まりました。国内外の力作を前に、あらためてドキュメンタリーの大きな役割である「生の現在や痕跡を記録する」ことの意味を噛み締めています。この1年、上映を大変に喜んでくれたグランプリ受賞作家や、苦楽を共にしたスタッフの訃報に接する悲しみもありましたが、彼らとも分かち合った、日々変動する人間や世界の「いま、ここ」を記録したドキュメンタリー映像の魅力は、時空を超え、普遍的なものとしてみなさまを刺激し、思いを共にできるものと確信しています。貴重な作品の上映を、ぜひお楽しみください。

 

D会議室では佐藤氏がゲスト出演した特別動画「山形国際・東京・TBSドキュメンタリー映画祭の楽しみ方」を公開中。
東京ドキュメンタリー映画祭2025のガイドとしてぜひチェックしてほしい。

 

<上映プログラム一覧>

■長編部門コンペティション(10作品)

『九州大学 彦山生物学実験施設』

『詩人 iidabii~ある宗教2世の記録~』

『モテモテのテーマ』

『浮浪調律』

『UNVOICED』

『村で生きる』

『パルバティ・バウル~黄金の河を渡って』

『WITH』

『紅線 Red Line』

『晩夏ノ蝉』


■長編+短編部門コンペティション(2作品)
震災後も営業を続ける岩手県・陸前高田市のジャズ喫茶に流れる、店主と常連の“日常の時間”を記録した『Johnny』。大阪・ミナミに一軒だけ残る芸妓がもてなすお茶屋に飛び込んだ見習いが、作法や稽古に苦戦しながら芸妓を目指す『鶴になる』。対照的な二つのお店で展開される、女性たちの安らぎと華やぎの記録。

『Johnny』

『鶴になる』


■短編部門コンペティション(テーマ別20作品)

●戦争の記憶を継ぐ
戦地に赴いたクリミア出身アーティストのビデオレポート『クリミア』。群馬県による「朝鮮人追悼碑」撤去問題にある意識の断層を詩的に問う『森、すきま』。今なお続く遺骨収集の意外な側面をみる『沖縄戦没者遺骨収容2025』。終戦直前、米兵捕虜が処刑された「油山事件」実行者の葛藤をひもとく『最後の戦犯』。戦争の本質が、時を超え交錯する。

『QIRIM(クリミア)』

『森、すきま』

『沖縄 戦没者遺骨収容2025―ボランティアの組織的調査―』

『最後の戦犯―残された手記―』

●コミュニティと言語
認知症が進み、母語での介護を余儀なくされる在日韓国人高齢者に寄り添う『Blessing Lies Here』。かつてマンモス団地と呼ばれた古い団地に暮らす高齢者と新たな住民との交わりを描く『憧れの暮らし、常盤平団地』。母語の喪失に直面する外国籍住民のケアにフォーカスする『はざま』。多様化する在留外国人コミュニティや、共生のありようを最前線でみつめた3本。

『Blessing Lies Here』

『憧れの暮らし、常盤平団地』

『はざま – 母語のための場をさがして-』

●終わらぬ日々の記録
辺野古の米軍基地建設に抗議するカヌー隊と、抗議中に起きた事故の裁判を描く『水平へ漕ぎだす 辺野古海上行動と裁判闘争』。岡山県で、福島第一原発事故の罹災者を一定期間受け入れる「保養」に密着した『マイプレイス–保養という選択』。メディアで報じられなくなっても続く日々を生きる人々の、思いや葛藤に向き合った2本。

『水平へ漕ぎだす 辺野古海上行動と裁判闘争』

『マイプレイス ―保養という選択』

●あなたのそばに
リアルな赤ちゃん人形「リボーンドール」を携え愛しむ3 名の女性が、率直な心情を明かす『リボーンドールと生きる』。29 年勤めた局を追い出されたラジオDJ ジェイムス・ヘイブンスが、自前でFM ラジオ局を作るまでの壁を描いた『Never Give Up それでもラジオ!!』。積み重ねられたインタビューが、必要とすること、されることの意味を問う。

『リボーンドールと生きる』

『Never Give Up それでもラジオ!!』

●人生の夕暮れに
親族の老いや認知症など、にわかに受け入れ難い現実に、映像作家はどう向き合うのか。入院中の夫と離れ、一人で暮らす祖母の暮らしを静かにみつめた『春一番』。親しみを崩さず、祖母への愛が画面から溢れる『ばあば』。認知の進行に戸惑いながらも、1年にわたり母の姿を美しくカメラに収めた『夕日に舞う』。三者三様の記録。

『春一番』

『ばあば』

『夕日に舞う』

●生きる実感
ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い在宅で暮らすさゆりと、重度訪問支援者として彼女の暮らしに寄り添うまき。彼女たちの日々の楽しみや社会とのかかわりを描いた『because time is life』。難攻不落の“悪魔のレース”に挑み続けるプロトレイルランナーの挑戦を追った『メインクエスト2』。それぞれに灯る命の輝きを、カメラが捉える。

『because time is life』

『メインクエスト2 ~穢れなき負け犬の遠吠え~』

●感覚とメディア
身体のタブーを3人の女性がそれぞれの母国語で語る『絨毯の下から』。理想の青を求め藍染を極める男たちを捉える『色をこえて青を見る』。フィルムアーカイブでの修復作業を圧倒的映像美でみせる『あと数世紀』。AI が「外れ値」として排除する、ある少数者の存在に耳を傾ける『AI が消し去る声』。信念や美学に彩られた4つの短編。

『絨毯の下から』

『色をこえて青を見る』

『あと数世紀』

『AIが消し去る声』


■人類学・民俗映像部門コンペティション(A〜G 全15作品)

●人類学・民俗映像A

『カルロスのレシピ』

●人類学・民俗映像B

『マサイ・エウノト』

『天幕の下で』

●人類学・民俗映像C

『アット・ザ・ドアウェイ』

『ムル族の犠牲祭』

●人類学・民俗映像D

『コロストラム』

●人類学・民俗映像E

『翁丁 The Last Tribe in China』

●人類学・民俗映像F

『ドッグ・シット・フード』

『ブズカシ―男の地のアティルキュル―』

●人類学・民俗映像G

『キックオフ』


■特集上映「台湾記録片」※日本初上映含む(4作品)
歴史的にも繋がりの深い日本と台湾の関係を、映画で探るプログラム。台湾と日本の知られざる歴史や、日本では公開の機会が限られる作品をセレクション上映。

『夢の中の故郷』

『火種を再燃させる -1900〜1907年のトパ戦争-』

『いつの日にか帰らん』

『ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ』


■特別上映(2作品)
今年4 月に急逝した佐藤充則監督と、今年8 月に逝去した当映画祭スタッフ澤山恵次を偲び、彼らが愛し、上映に力を込めた過去のグランプリ作品を特別に上映。

『Yokosuka1953』(2021年 長編部門グランプリ)

『香港時代革命』(2023年 長編部門グランプリ)

※両作品とも上映後にゲストトークを実施。


■開催概要

会場:新宿K’s cinema
期間:2024年12月6日(土)〜12月19日(金)
料金:一般1600円/大・高1400円/シニア1200円
特別鑑賞券(3回券):3600円
公式サイト:https://tdff-neoneo.com/

戻る