太田信吾監督最新作『沼影市民プール』9月公開決定 52年愛された市民プールの最後の49日間を記録
ドキュメンタリー映画『沼影市民プール』が、9月5日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開されることが決定した。あわせて、ポスタービジュアル、特報、場面写真10点も解禁された。
本作が記録するのは、埼玉県さいたま市にあった「沼影市民プール」が営業を終えるまでの49日間。1971年、「海なき市にプールを」という市民の願いから生まれた沼影市民プールは、市民の憩いと出会い、健康を支える場として親しまれ、52年間で約600万人が訪れた。
しかし2021年、さいたま市は同プールの解体と、小中一貫校の建設を発表。存続を求めて900通を超えるパブリックコメントや1万人以上からの署名が寄せられたものの計画は進み、2024年、プールは静かに役目を終えた。
本作は、“とあるプールが息を引き取るまでの、49日間の記録”として、公共施設の喪失が市民に何をもたらすのかを見つめるドキュメンタリー。誰かにもう会えないと知ったとき、人は立ち止まる。仮にそれが「場所」だったとしても、やはり同じように心は揺れる。都市開発のなかで置き去りにされていく記憶や感情を、ひとつのプールの終わりを通して描き出していく。
監督を務めるのは、『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(13)、『解放区』(14)で知られる太田信吾。ドキュメンタリーとフィクションを横断する独自の手法で国内外から評価を受けてきた太田監督が、今回は身近な公共施設の喪失と、そこに関わった人々の時間に向き合う。
本作は制作段階において、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭2024で、日本企画としては初となる「First Cut+ Works in Progress Award」を受賞。完成後も釜山国際映画祭、テッサロニキ国際ドキュメンタリー映画祭、台北国際映画祭をはじめ、12以上の国際映画祭で上映されている。また、エンディングテーマ曲には、SuiseiNoboAzの「それから」が使用されている。
今回解禁されたポスタービジュアルで目を引くのは、沼影市民プールのシンボルでもあった近未来的なデザインのウォータースライダーと、姿を消すプールを見送るスタッフたちの後ろ姿。すでにプールは取り壊され、更地となっているだけに、「取り壊されたのは、みんなの居場所」というコピーが、かつてそこにあった場所の存在を強く印象づける。
約50秒の特報では、プールを利用していた市民が、その喪失をどのように受け止めていくのかが映し出される。精神科医エリザベス・キューブラー=ロスによる「死の受容の5段階(否認・怒り・取引・抑うつ・受容)」をモチーフに、ひとつの場所の終わりをめぐる感情の揺れが描かれている。
■太田信吾監督プロフィール
長野県出身。早稲田大学在学中に哲学・物語論を専攻。友人の自死と向き合い制作した初長編ドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2013で公開後、世界12カ国で公開されるなど国内外で反響を呼んだ。次作『解放区』(2014)では、再開発に揺れる大阪・西成区、釜ヶ崎に漂着する若者をリアリティある描写で表現。映画と舞台を横断して活動しており、演出・出演を手がけたドキュメンタリーとパフォーマンスのハイブリッドな舞台作品『最後の芸者たち』(リクリエーション版)は、2024年11月に欧州最大級の芸術祭フェスティバル・ドートンヌで上演された。
『沼影市民プール』
9月5日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
英題:NUMAKAGE PUBLIC POOL
2025年/日本/80分/DCP/カラー/16:9/ステレオ/映倫G
監督・撮影・編集・録音:太田信吾
音楽:内橋和久
助監督:芳賀直之
追加撮影:与那覇政之、上ノ園芳樹
プロデューサー:竹中香子、太田信吾
アソシエイトプロデューサー:高根順次
アシスタントプロデューサー:マキシム・ロレ
共同プロデューサー:みやたにたかし
企画協力:サトシ・フクモト
パブリシティ:プレイタイム
エンディングテーマ曲:SuiseiNoboAz「それから」
企画・制作:ハイドロブラスト
配給:NAKACHIKA
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
(c) hydroblast
公式サイト:http://numakage-film.com/
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