台湾で“日本人の神様”はなぜ生まれたのか――『軍服を着た神様』日本神紹介映像が一挙解禁、荒俣宏ら著名人コメント第2弾も到着
8月1日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開されるドキュメンタリー映画『軍服を着た神様』より、映画に登場する“日本神(にほんがみ)”を紹介するショート動画が一挙解禁された。あわせて、作家・博物学者の荒俣宏をはじめ、伊藤亜和、辛酸なめ子、清野とおる、渡辺満里奈ら各界の著名人から応援コメント第2弾が寄せられた。
本作は、かつて日本の統治下にあった台湾で、戦死した日本兵が“神様”として祀られている「日本神」の謎を追うドキュメンタリー。文化人類学者・藤野陽平と記録映像作家・遠藤協が、台湾各地に50か所以上あるといわれる日本神を訪ね歩き、その背景にある歴史や信仰、そして日本と台湾を結ぶ知られざる交流を描き出す。
今回公開されたショート動画では、タバコ好きの神様や、シャーマンに憑依する神様、怪奇現象を起こす神様など、個性豊かな日本神たちを紹介。馬喰町バンドによるオリジナル楽曲に乗せて、禍々しさとユーモアが同居する独特の世界観を映し出している。紹介動画は「樋口先鋒」「飛虎将軍」「田中将軍」「日本将軍・日本大使・日本大使の娘」「将軍爺」「北川将軍」の全6本が公開された。
また、応援コメント第2弾も解禁。荒俣宏は「まるで、新しい神様が巷に現われた瞬間に立ち会えたような。しかも神様は戦死した日本軍人。カメラがその軍服を剝がせた!」とコメント。伊藤亜和、辛酸なめ子、清野とおる、渡辺満里奈のほか、台湾研究者や民俗学者らも、それぞれの視点から本作の魅力を語っている。
『軍服を着た神様』では、異国の地で亡くなった日本人兵士が、なぜ台湾で神として祀られるようになったのか、その謎を追う中で、台湾の民間信仰や戦争の記憶、そして死者を弔う人々の思いが浮かび上がる。戦争や歴史を題材としながらも、人と人とのつながりや文化の交差を見つめる作品となっている。
<『軍服を着た神様』応援コメント第⼆弾|敬称略・五⼗⾳順>
◆荒俣宏(作家・博物学者)
まるで、新しい神様が巷(ルビ:ちまた)に現われた瞬間に⽴ち会えたような。しかも神様は戦死した⽇本軍⼈。カメラがその軍服を剝がせた!
◆伊藤亜和(⽂筆家)
誰の記憶からも失われた時、⼈には本当の死が訪れるのだという。⾁体を超え、史実を超えて、遠いどこかで彼らの命が留まっている。死から縁取られる存在が、また新しい命の拠り所となって⽣き続ける今⽇、あなたが神様になったらと、いつかの神話の途中で想う。こんなふうに、想像もできない姿で私たちは⽣かされるのかもしれない。
◆片倉佳史(武蔵野大学客員教授・台湾在住作家)
台湾の地で信仰の対象となった⽇本⼈たち。⼈々はなぜ彼らを慕い、⼿を合わせ、祀るのか。そこには⼟地に根ざした台湾の信仰⽂化と深い繋がりがある。本作で取り上げられている⽇本⼈についてはもちろん、台湾に暮らす⼈々の「⽣き⽅」にも思いを巡らせてみたいところである。戦争体験に伴う悲劇や哀しみに国境はなく、⼈々は地元にゆかりのある故⼈に思いを寄せ、弔っている。本作で⽬にする⼈々の表情を⾒ていると、⾔葉以上に多くのことを物語っているように思えてくるはず。台湾という隣国、台湾⼈という隣⼈について考えてみたくなる⼀作である。
◆研究員A(おきらく台湾研究所)
⾯⽩い!とんでもない!この世とあの世。⽬に⾒えるものと⾒えないもの。その中にまぎれこむ戦死した旧⽇本軍兵⼠。つながり⽅が「思ってたのと違う」の連続で、私達はまだまだ台湾を知らないんだなあと思わせられる。
◆小島あつ子(台湾映画同好会)
町を歩けば廟にあたる、神様ワンダーランド・台湾。神々と隣り合わせの⽣活ではあの世とこの世が緩くつながり、さまよえる⽇本軍⼈の魂もが天界での昇進を⽬指し、現世で徳を積んでいるらしい。台湾の⼈々の祀(ルビ:まつ)りが、俗世で神話を紡ぎ出す瞬間に⽴ち会える、ちょっとホラーで摩訶不思議な107分!
◆辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
⼈は亡くなったら終わりではなく死後の⼈⽣もある……。半⼈半神で祀られ続ける⽇本兵の実話は驚きの連続でした。⽇本では幽霊はただ恐れられる存在なのに台湾⼈の幽霊への礼儀やホスピタリティに感動。⽇本兵の神様たちも、ヘビースモーカーだったりロトの番号を教えてくれたり、⼈間に近い存在で親近感が。お神輿に乗って師匠の神様を訪問するときは神像の顔に緊張感が漂っていたり、⼦孫が訪ねてきたときは感無量の表情だったり、この像は⽣きているのでは?と思わされました。AIよりも⼈間の⼼がわかる軍服の神様に相談したいです。
◆栖来ひかり(文筆家・道草者)
台湾で暮らしていると、⽣者のすぐそばに死者の世界がある感じを強く持つ。たとえば「⻤⽉」と呼ばれる旧暦七⽉。地獄の⾨が開き、亡者がこの世に戻ってくる。だから⼈々は、祟られたり悪さをされたりしないよう、⼼を込めて彼らをもてなす。そうこうするうち、だんだん親しい存在となって神様に出世する死者も出てくる。そんな例のひとつが「⽇本⼈神様」だ。⼈⽣いろいろ、神様もいろいろ。それを取り巻く台湾の⼈々の⽣真⾯⽬さといじらしさったら、もう。愛おしささえ湧いてくるのだ。
◆清野とおる(漫画家)
台湾で亡くなり、台湾で⼼霊現象を起こし、やがて台湾で神様として祀られるようになった⽇本⼈たち。その数奇な運命に驚かされる⼀⽅で、本作を観ていると、⼈と霊と神の境界が少しずつ曖昧になり、それらは案外地続きの⾝近な存在なのかもしれないと思えてきた。彼らを受け⼊れ、⼤切に祀り続ける台湾の⼈々の懐の深さや優しさにも⼼を打たれる。歴史や信仰、そして「怪談」を扱いながらも、鑑賞後にはなんだか温かい気持ちになれる不思議な作品です。
◆似田貝大介(KADOKAWA 「怪と幽」編集顧問)
⽇本が台湾を50年にわたって⽀配し、終戦から80年以上の時間が経ったいま。実在した⽇本兵の「お化け」が、台湾各所で「神様」として祀られている。⽇本でいう英霊ではない。いわゆる親⽇感情とも違う。⽇本神は宝くじなど⾝近な願いを叶えたりする。ベビースモーカーだったりもする。デコトラのようにド派⼿な神輿に担がれ、軍歌にのってやってくる。いやはや、これだから興味深い。いたって「怪」であり「幽」な信仰で⽂化なのだ。とはいえ彼らは⼀様に駆け出しの神様で、いまだ修業中の⾝。そんな現状に頬が緩む。台湾の⼈々が、どのようにこれら⽇本神に接しているのか、本作で確かめてほしい。
◆幣束(著述家)
「台湾は親⽇である」という認識は概ねその通りであると思う。しかしながら本作に登場する⽇本⼈の神々は、台湾の⺠間信仰の中に組み込まれ、その曼陀羅の中で台湾の⼈々にそれぞれの形で信仰され、利益を与え、修⾏を続けている。そこには漠然とした⽇本⼈の、台湾=親⽇というイメージとはかなり違った信仰世界が広がっている。本作は台湾の⽇本神を通じて、我々の歴史や信仰⽂化を⾒つめ直し、重なり合う⽇本と台湾を改めて発⾒する貴重な体験である。
◆山崎雅弘(戦史/紛争史研究家)
⽇本と台湾、それぞれの場所に根付く「亡くなった⽇本軍⼈」を悼む思いが、奇妙な形で交差する。政治や歴史から切り離された形で、戦没の地に暮らす住⺠の信仰対象となった⽇本軍⼈たち。⾃分の祖先が外国で「神」として祀られることに困惑しつつ、不思議な「ご縁」を受け⼊れて交流を始める⽇本⼈の遺族。歴史の「本筋」からこぼれ落ちた、宙を漂うような⼈の営みをていねいに紡いでいく映像作品。
◆林美容(台湾文化人類学・民俗学/中央研究院民族学研究所)
⽇本神信仰には、台湾の庶⺠が⽇本統治時代の記憶や歴史を再構築している様⼦が現れている。これはテクストによる「歴史」と異なり、⼀般⼈の視点から⾒た「歴史」である。研究やドキュメンタリー映画の撮影を通じて、⽇台の信仰⽂化の交流が促進し、互いの理解を深め合っていくことには、⾮常に⼤きな意義がある。
◆渡辺満里奈(タレント)
なんとも摩訶不思議!台湾で神様になった⽇本⼈がいたなんてまったく知らなかったが、そのわけを紐解いていくと⾒えてくる⽇本と台湾の歴史…。台湾の⼈たちの信⼼深さと優しさによって、時空を超えて繋がる親交に⼼が温まります。畏れと可笑しみが交差するなんとも魅⼒的な映画です!
『軍服を着た神様』
8⽉1⽇よりポレポレ東中野 ほか 全国順次公開
■作品概要
むかしむかし。今よりちょっとむかし。台湾のとある場所に⽇本⼈の亡霊が現れました。たたりを恐れた⼈々によって祀られたその亡霊は、⼩さな願いを叶えてくれる神様として、今では台湾の⼈々に親しまれています。かつて⽇本が植⺠地として統治していた台湾で、なぜ、⽇本⼈の(しかも軍服を着た!)神様が⽣まれたのか? その謎をたどるなかで⾒えてきたのは、それぞれの神様たちの数奇な運命であり、今を⽣きる⼈々との交流、台湾の⺠間信仰のあり⽅、そして、⽇本が台湾に残してきた戦争の痕跡でした。台湾各地に50箇所以上あるといわれる⽇本神を訪ね歩いたのは、⽂化⼈類学者の藤野陽平と記録映像作家の遠藤 協。必ず戻ってくる卒塔婆。オレンジ⾊のコウモリ。⽕葬場跡に寝泊まりする男性。⽇本神を⾝体に宿すシャーマン…。「不可思議」としか⾔いようのない出来事の連続の中で、⽇本神がかつて⼀⼈の⼈間として確かに存在した事実が明らかになっていきます。異国の地でさまよい、死後の世界を⽣きる⽇本⼈の魂。その魂を慰撫し、神として祀る台湾の⼈々。神となった先祖と出会い直す⽇本の⼦孫たち。宗教的な⽂脈の違いを超えて、死者を悼み、弔う⼼が⽣んだ、⽇台の知られざる交流を描いたドキュメンタリーです。
■作品クレジット
監督:遠藤 協(『廻り神楽』) 旅⼈: 藤野 陽平(⽂化⼈類学者)
語り:中⻄ レモン
作曲・アニメーション:武 徹太郎
演奏:⾺喰町バンド
整⾳:⻩ 永昌
アドバイザー:三尾 裕⼦・陳 梅卿
プロデューサー:藤野 陽平・遠藤協
製作・配給:三叉路フィルム
助成:⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(⽇本映画製作⽀援事業)独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂
⽇本|2025|107分|台湾華語・台湾語・⽇本語
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公式サイト:https://sansarofilm.com/kamisama/

