D会議室presents『彼女が選んだ安楽死』トーク付き試写会を開催!西村監督「「いのち」をみつめ直すきっかけになることを願ってやみません。」小川「自分自身の生き方も見つめ直すきっかけにもなりました」

TBSテレビやTBS系列各局の記者やディレクターが、歴史的事件、現在進行形の出来事、そして市井の人々の日常を追い続け、記録し、情熱を込めて世に送り出してきたドキュメンタリーブランド「TBS DOCS」。その想いが結実した場として2021年にスタートした「TBSドキュメンタリー映画祭」が、2025年も3月14日(金)より東京・名古屋・大阪・京都・福岡・札幌の全国6都市で順次開催される。

今回、D会議室では、映画祭で上映される注目作『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』の試写会を開催。上映後には、本作を手掛けた西村匡史監督と映画祭スペシャルサポーターの小川彩佳(「news23」メインキャスター)による「いのち」について語り合うトークセッションも実施した。

映画を見終えたばかりの観客の前に登場した西村監督は、「この映画は2022年1月に迎田良子さんからいただいた、1通のメールから始まりました。そこには、安楽死について、そして安楽死を通して生きること、死ぬことについて考えてもらう議論のきっかけになればということの依頼を受けて、そこから1年間ずっとやり取りをしました。最後まで彼女は逃げることなく、取材に応じて頂きました。こうやって映画という形にすることで、彼女の想いをひとつ届けることができたかなと少しホッとしている部分もあり、これから多くの方に観て頂けたらなと思います。」と観客に向けて想いを語った。

続いて映画の感想を聞かれた小川は、「西村監督とはこれまでも番組の中で一緒に仕事をする機会が何度かあり。熱心に取材相手に想いを込めて向き合う方だと感じてました。番組の特集では内包できなかった部分もあったんだろうなと想像していたんですが、今回映画という形で作品になったことが、勝手ながら私も深い感慨を覚えました。」とコメント。

さらに小川は「どうしても安楽死についての作品となると、敬虔な気持ちで向き合えないんじゃないか、生半可な気持ちで観ることが出来ないんじゃないかと構えてしまう部分もありましたが、作品の中で描かれていたのは、1人の女性の生き様でした。迎田さんが死の直前までどう生き抜いたかというのを非常に丁寧に描いた作品だったんじゃないかなと思いました。返す刀で私も『自分は今、必死に生きているか』と、そんなことを感じさせてくれる作品でした」と映画を観た率直な感想を語った。

イベント中、小川から監督へ「1人の人間がどう死を選択し、その瞬間までカメラに収めるというのは、相当な心づもりがないと出来ないことだと思います。西村監督はどんな思いで迎田さんと向き合ったのか」という質問が。

西村監督は「2022年の1月にメールいただいた段階では、まだ安楽死ができるかどうか、病院ではOKが出ていなかった段階でした。その段階では、なんとか生きる方法はないのかっていうお話をしながら、最初はメールから人間関係を作っていきました。当時の私は、ロンドン特派員だったのでZOOMで何度もお話をするようになって、その後、病院から安楽死のOKが出る中で、何よりも人間関係、信頼関係を築くことが最大の条件、とにかく時間を費やし、なんとか生きる方向が少しでもないのかという話をしながらも彼女の選択も理解できる…という中でした。

お互いに何度も話をしたんですが、最初は2022年の1月にメールいただいた段階では、まだ安楽死ができるかどうか、病院ではOKが出ていなかった段階でした。その段階では、なんとか生きる方法はないのかっていうお話をしながら、最初はメールから人間関係を作っていきました。当時、ロンドン特派員だったのでZOOMで何度もお話をするようになって、その後、安楽死が病院の方からOKが出る中で、何よりも人間関係、信頼関係を築くことが最大の条件、とにかく時間を費やし、なんとか生きる方向が少しでもないのかという話をしながらも彼女の選択も理解できるものもあったという中でした。

最初は生きる、死ぬのことについての話が多かったんですけれども、だんだん安楽死する時が決まっていくにつれて、彼女は話すことの比重が重い話よりも、むしろ自分の人生をこう生きたという楽しい思い出が多かったりもしました。自分としても、当たり前かもしれないですけど、情が移る部分もあって、少しでも迷いがあるんだったら、生きる方向にいけないかと話をしながら、すごく葛藤でした。ただ、彼女の意思は明確でした。最後、自分でストッパーを外して亡くなられるシーンがあって、映画で出すかどうかってすごく議論もあるし難しいところで、リスクもあるんですけれども、これは彼女たっての願いだったんです。彼女は自分の意思であったのだと。出すことも含めてのずっと葛藤の連続ですし、今もそうなんですけれども、迎田さんの望み通り、安楽死について、安楽死そのものでもなくても、生きる、死ぬってことについては、誰もが必ず死が訪れることなので、そこに関しては僕は議論して考えるべきだと思う。その意味では1つの役目も果たせたのかなとも思っています」

死ぬのことについての話が多かったんですけれど、だんだん安楽死する時が決まっていくにつれて、彼女は話すことの比重が重い話よりも、自分は人生をこう生きたという楽しい思い出話しが多かったりもして。だんだんと、自分としても、当たり前かもしれないですけど、情が移る部分もあって、なんとかほんの少しでも迷いがあるんだったら、生きる方向にいけないかと話をしながら、すごく葛藤しました。亡くなる2週間前に日本で取材させて頂いたんですが、彼女の意思は明確でした。最後、自分でストッパーを外して亡くなられるシーンがあって、そこを映画で出すかどうかってすごく議論もあるし難しいところで、リスクもあるんですけれども、これは彼女たっての願いだったんです。彼女は自分の意思でやったのだと。出すことも含めてのずっと葛藤の連続ですし、今もそうなんですけれども、迎田さんの望み通り、やっぱり安楽死について、安楽死そのものでもなくても、生きる、死ぬってことについては、誰もが必ず死が訪れることなので、そこに関しては僕は議論して考えるべきだと思うので、その意味では1つの役目も果たせたのかなとも思っています」と本作に込めた覚悟について語った。

また西村監督は、安楽死は社会にとって脅威だとも感じているという。「例えば、本当はまだ生きたいと思っている人が、周囲に迷惑をかけたくないという理由で安楽死を選んでしまうことがあったり、中には周囲が自分の死を望んでいると思ってしまう人が出てきてしまう可能性もある。安楽死は常にそういうリスクと背中合わせで、それを紹介することは最後の最後まで葛藤は拭えない。それでも、誰にでも訪れる死については議論すべきだ」と力強く話した。

続いて行われた来場者からの質問に答えるコーナーで、<迎田さんの決断をどう思ったか>と聞かれた小川は、作品を観ているうちに彼女の魅力にすごく引き込まれ、自身も迎田さんと言葉を交わしてみたかったと感じた、と語った。同時に、それぞれの人生の中で編み出されたものが人生を貫いていくことも認識し、周りの人間がとやかく口をだせるものではないし、そういう領域が彼女には確実にあったと感じた、と語り、そういった領域を自分も人生の中で育てていきたいと思い、それは目の前にある一日や家族・自分自身を大切にすることだと思うと、自分の生き方を考える機会になったと言葉にした。

また、<海外に比べ、日本ではあまり安楽死の議論自体が起きにくい。どういったことがあれば日本でも議論が活発化するのか>という質問に対し監督は、「イギリスでは小学校の授業でも、安楽死をテーマにディスカッションをするのが普通なこと。それに対して、日本ではまだ死はタブー扱いされている。海外も政治から率先して動いているというよりも、市民の声が政治を動かしているのが現状。日本ももっと、誰もが関係する”いのち”に対しての議論が活発になり、少しでも市民が自分から考えて動いていくことが必要で、そうすれば自然と政治が動いてくるのではないか」と自身の見解を述べた。続いて小川は、「議論をするためには、時間と情報が必要なので、決して結論を急ぐべきではなないですが、(議論をする)そのために教育やメディアが様々な角度から情報を伝えていく必要性を感じています」とコメント。

最後に小川は、映画祭の作品は多岐にわたり、老若男女様々な方にフォーカスが当てられており、ともすれば自分から遠い違う世界を生きる人というように感じることもあるが、作品を観ていると、どこか自分と映し鏡になっており、そこに境目がなく自分と地続きになっている世界の方たちなんだなと分かってくる瞬間があるので、その瞬間を映画祭を通してたくさん経験して頂けたらと思います、と来週3/14 から開催される映画祭に対してコメント。監督は、今回の映画を通して、安楽死だけでなくひとつの”いのち”について考えるきっかけになればいいと思い、一人でも多くの方にそれが届けば、迎田さん含む今まで取材させて頂いた方への恩返しになると思います、と語り、トークイベントを締めくくった。

第5回「TBSドキュメンタリー映画祭2025」
2025
年3月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国6都市にて順次開催!

<開催概要>
東京=会場:ヒューマントラストシネマ渋谷|日程:3月14日(金)〜4月3日(木)
大阪=会場:テアトル梅田                                 |日程:3月28日(金)〜4月10日(木)
名古屋=会場:センチュリーシネマ          |日程:3月28日(金)〜4月10日(木)
京都=会場:アップリンク京都                      |日程:3月28日(金)〜4月10日(木)
福岡=会場:キノシネマ天神                             |日程:3月28日(金)〜4月10日(木)
札幌=会場:シアターキノ                                 |日程:4 月 5 日(土)〜4 月 11 日(金)

【作品別 舞台挨拶 情報】

2025 年 3 月 14 日(金)~4 月 3 日(木) @ ヒューマントラストシネマ渋谷(東京会場)

『彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~』
3 月 14 日(金)14:00 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:西村匡史 ゲスト:近日発表

『米軍ア メ リ カが最も恐れた男 その名は、カメジロー』
3 月 14 日(金)16:00 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:佐古忠彦 ゲスト:内村千尋(瀬長亀次郎次女・不屈館館長)

『REASON~あの日、HIPHOP に憧れた少年たち~』
3 月 14 日(金)18:45 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:嵯峨祥平 ゲスト:近日発表

『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変』
3 月 15 日(土)14:15 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:萩原豊
ゲスト:真山仁(小説家)、舛方周一郎(東京外国語大学 大学院総合国際学研究院 准教授)

『小屋番 KOYABAN ~八ヶ岳に生きる~』
3 月 15 日(土)16:30 の回 舞台挨拶
【登壇者】 企画・プロデューサー:永山由紀子/撮影・音声・監督:深澤慎也 ゲスト:菊池哲男(山岳写真家)
3 月 22 日(土)14:15 の回 舞台挨拶
【登壇者】 企画・プロデューサー:永山由紀子/撮影・音声・監督:深澤慎也
ゲスト:菊池哲男(山岳写真家)、一双麻希(女優)

『渡邊雄太 ~傷だらけの挑戦者~』
3 月 15 日(土)18:45 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:久米和也 ゲスト:近日発表

『カラフルダイヤモンド~君と僕のドリーム2~』
3 月 16 日(日)14:15 の回/16:30 の回/18:45 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:津村有紀 ゲスト:カラフルダイヤモンド メンバー10 名
(古川流唯/中下雄貴/設楽賢/小辻庵/岡大和/國村諒河/高垣博之/関優樹/永遠/加藤青空)
※ハイタッチあり(映画祭パンフレット購入者限定)

『巨大蛇行剣と謎の4世紀』
3 月 20 日(木)16:15 の回/18:30 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:山﨑直史 ゲスト:山崎怜奈(タレント)
3 月 22 日(土)16:40 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:山﨑直史 ゲスト:今村翔吾(歴史・時代小説家)

『あの日、群馬の森で -追悼碑はなぜ取り壊されたのか-』
3 月 21 日(金)18:30 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:三宅美歌/日下部正樹 ゲスト:安田浩一(ジャーナリスト)

『War Bride 91 歳の戦争花嫁』
3 月 23 日(日)16:15 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:川嶋龍太郎 ゲスト:近日発表

『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』
3 月 23 日(日)18:45 の回 舞台挨拶
【登壇者】 監督:大村由紀子 ゲスト:内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)

【数量限定特典】特製ポストカード付きムビチケカード、発売中!全作品共通 1 回券/1400 円(税込)

公式サイト:https://tbs-docs.com/
公式X:https://x.com/TBSDOCS_eigasai

 

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